3年経ってしまった、消せない話
「こんなモノ、いらない」


少女は飛び出した。足の届く地へと。



少女はある少年に声をかけた。

黒い髪に、眼鏡をかけた色白の少年。

少年は思わず立ち止まり、少女の方を向いた。

少女は少年にこう言った。


「私の翼をあげる」


少年は一瞬戸惑ったが断った。少女はその言葉を聞き取り乱した。


少女は少年に懸命に説得した。しかし少年は意見を曲げる事はなかった。

どうやら翼をあげるのは誰でも良いわけではないらしい。何故少女は少年を選んだのか。

少女の声が涙声になった。表情も先ほどまでとは違い、目に涙をためていた。


「1秒だけでも良いからお願い…」


この言葉が決定打となり、少年は遂にOKを出してしまった。少女の表情は一変した。

そして少女は翼を早速少年につけ、

背中が軽くなったと喜びその足で何処かへと翔けていった。

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