3年経ってしまった、消せない話
「やっぱり自力で消すか、生まれ変わるまでずっと持たなきゃね…

人間は脆いから、そう振舞っていても心の何処かではそれを求めている。

…ありがとう」


少女は少年の言葉を待たずして、溶けるように消えた。

向こうの世界へ帰ったのだろうか。

少年は空を見上げ、手を伸ばした。少女のモノだと思われる羽をキャッチした。

純白の白い羽は眩しいほどに輝いていた。束縛の翼だとは思えない。


「大切な人を求めたって良いじゃないか、自由を求めすぎても良いじゃないか。

どうしてそれがいけない事なの?ねえ、神様?

もし聞いているのであれば僕の大切なあの子を…」


少年もまた、大切な人の自由を求めていた。

その後、この少年と少女がどうなったかは誰も知らない。
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