3年経ってしまった、消せない話
空を眺めていた。雲一つない五月晴れだ。

そうやってぼうやりと立ったり座ったりしていると、何かが落ちる音がした。

音の方向を見るとそこには妹のプリュイが立っていた。その表情は驚いていた。


「シエル…30分以上はそこにいるよね…身体平気なの!?」


どうやら俺を心配して言うようだ。ちなみにシエルと言うのは俺の名前である。


「平気だからいるんだよ」


そう、プリュイに告げた。プリュイはむっとした表情のままだ。

俺が病気になってからしっかりし始めたのはいいが、

逆に監視の目が厳しくなった気がして困る。


「発作出てからじゃ遅いんだから、とっとと戻るのっ」


結局俺は強制的にベッドに戻る事になってしまった。

俺からすれば哀しい事だ。残りの時間はもう僅かだから。

急に苦しくなって倒れたかと思えば、3日経過していて。

まともに話が理解できるようになって、治らない病気だって知らされて。勝手な話だ。

いつ逝っても可笑しくないらしいし、もって半年と言われたがもう2年経過している。

不思議な事もある物だ。奇跡って奴か?

でも最近また変な発作が出る事も多くなったし、自分でも弱ってるなーって感じてる。

だから、奇跡もお終いに近づいている。
< 37 / 66 >

この作品をシェア

pagetop