3年経ってしまった、消せない話
次の目を覚ましたのはまた夜だった。

夜と言っても、1日経った夜だ。

妙な気分だった。いつもとは何かが違う。苦しいし、力も出ない。死んだのか?


「シエル?」


プリュイがいた。まだ死んでいない…と思う。でなければプリュイに会えない。


「プリュイ、俺が…目を覚まさなくなったら…こう考えろ…」


プリュイは何で泣いているんだ?

俺はまだ逝かないのに永遠の別れをするみたいな表情をして。


「俺は…宇宙を旅…しに…行った、と」


無言のままのプリュイだったが、俺は急がねばと思い話を続けた。


「ほらさっきまで話してた…何年か前に、読んだどっかの国の…

有名な物語で…あっただろ…宇宙だかを旅する…列車があるって。

俺はそれに乗るんだ…乗って、沢山の…宇宙の星を……

終点まで…見るんだ…」


「どれくらいで帰って来るの?」
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