雨が降る 黄昏時と夜のこと
そんな日々の続く放課後、私は保健室のベッドの中から校庭をぼうっと眺めていた。給食の時間に気分が悪くなり、ずっと寝ていたのだ。
お昼前から降り続く雨に、校庭はもう水溜まりではなく、田んぼといった様子。お気に入りの長靴を楽しむ一年生や、普通に下校する生徒の姿もない。当たり前だ。もうとっくに下校時刻は過ぎているのだから。
私は、持ってきたはずの傘が無くなっていて、母親が迎えに来てくれるのを待っていた。
その日の雨雲は分厚く世界はより暗く、蛍光灯の明かりは朝から必須だった。
保健室内の様子が窓ガラスに反射して映るのが、まるで夜みたいだなと感じる。こんなに暗い夕方はそうそうない。
養護の先生は職員室に行っていて、私は独り、ベッドに腰掛け窓ガラスに映るものを、意味もなく視界に入れていた。
……なんだか、もう辛いな。
でも、教室を離れただけで、それは幾分改善された。
もう、あそこには戻りたくない、かもしれない。
でも、お母さん泣いちゃうかな。
私はかわいそうな子だって、きらわれちゃうかもしれない。
そんなのは……いやだな。
でももうがんばれないかもしれない。
いじめは、忍び寄る病みたいに、私を想像以上に蝕んでいて。