春雷
あたりを見渡すと
日本人らしき人はいない。
彼はちゃんと来てくれるだろうか。
少し不安になった。
フランスの時刻に、腕時計を合わせようとしたその時、
ガバリと背後から
誰かに抱きしめられた。
おそらく由乃だろう
「な、何?ユノ、どうしたの??」
「‥本当に来てくれた‥」
「えっ‥⁈」
由乃じゃない。
「こ、紺、さん‥‥?」
その声と、香りに間違うはずがなかった。
高村紺だ。
間違うはずがない。
一年、
見えない彼の姿を、思い出の場所に行っては
必死に影にして作り出した。
その度に
会いたい
今すぐ会いたいと願っていたのだから
間違うはずがない!
「紺さん、でしょう?」
顔の見えない人物が
ぎゅうぎゅうと背後から締め付けてくる。
苦しい。
逆に他人ならめちゃくちゃ怖い。
「紺さん、顔、見せて‥」
そう言うと、ようやく背後からの締め付けから解放された。
背後から抱きしめたまま
ひょいと現れたのは
間違いなく高村紺だった。
日本人らしき人はいない。
彼はちゃんと来てくれるだろうか。
少し不安になった。
フランスの時刻に、腕時計を合わせようとしたその時、
ガバリと背後から
誰かに抱きしめられた。
おそらく由乃だろう
「な、何?ユノ、どうしたの??」
「‥本当に来てくれた‥」
「えっ‥⁈」
由乃じゃない。
「こ、紺、さん‥‥?」
その声と、香りに間違うはずがなかった。
高村紺だ。
間違うはずがない。
一年、
見えない彼の姿を、思い出の場所に行っては
必死に影にして作り出した。
その度に
会いたい
今すぐ会いたいと願っていたのだから
間違うはずがない!
「紺さん、でしょう?」
顔の見えない人物が
ぎゅうぎゅうと背後から締め付けてくる。
苦しい。
逆に他人ならめちゃくちゃ怖い。
「紺さん、顔、見せて‥」
そう言うと、ようやく背後からの締め付けから解放された。
背後から抱きしめたまま
ひょいと現れたのは
間違いなく高村紺だった。