春雷
「やあ、ユノさん、長旅お疲れ様。待ってたよ!」

「ついに来ちゃったあー!!!」

ユノが私たちに駆け寄り、
三人で、ギュッと、抱きしめあった。

三人が、三人とも
足元に暗い懺悔と罪悪感を引きずっているのに、
こうして同じ方向を向いて一緒に生きていこうと団結できたことは奇跡のようで、
幸福感で胸が満ちていくのを感じた。

それは他の二人も同じく感じているようだった。

薄れていく情熱に火を起こしながら
暗く長い懺悔の日々を進めていくのは
容易ではなかったけれど、

「待たせてごめんなさい‥」

今はただ、とにかく幸せの余韻に浸りたかった?

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