春雷
「じゃあ、ズバリお聴きしますが、どうして離婚することになったんですか?」
(あわわ‥!ズバリ聴いちゃうのっ⁉︎)
私なら絶対に聞けない。
由乃ちゃんはす、すごい!
「はい。そこは今回の誤解を招く行動に繋がりますので、僕からもお話ししたいと思っていたので、聞いてください。
前妻とは、結婚の前に、子供を授かったことがわかったんです。これが結婚のきっかけなった事は確かです」
「はいはい、授かり婚ですね。それで?」
「しかし、妊娠初期で、残念ながら、流産となりました」
え‥!
「子供が生まれなくなった今、彼女は結婚は解消で良い、との話を進めてきました。僕とは結婚するつもりはなかった、そう言われました」
「えーっ?!なんでだろー?」
「僕といると、辛いんだそうです」
彼はぽつりと言った。
「?辛い?ああ、周りの目、かな?
高村先生、目立っちゃいますもんねえー」
「僕の容姿なのか、性格なのかはわかりませんでした。ですが、彼女が僕を夫にするにあたり、色々な方から辛辣な事を言われたそうでして」
「あーっ!嫉妬ですね!女達の嫉妬!」
「子供の顔が、旦那さんに似れば良いとか、どんな技で結婚に持ち込んだんだ、とか、心無い事を言われていたそうで、嫌がらせのような事もあったそうで、彼女は心を痛めていました」
「なるほど!先生と結婚した女性はそりゃ大変だわー!」
私も妙に納得してしまった。
高村先生には見えていない、女性達のしがらみがあったんだろう。