ポーカーフェイス
土曜日の夜、三波先輩に教えられたお店に着くと、茉那以外のメンバーは揃っていた。


「あっ茉那ちゃん、お疲れー」


三波先輩は、いつもの元気な笑顔で迎えてくれた。


「きゃー茉那ちゃん久しぶりー!」

「優子ちゃん!?久しぶりー」


何年ぶりかに再会した共通の友達にも会えて、茉那は楽しい時間を過ごした。


彼氏の話にはならず、その間は司のことなど、すっかり忘れていた。


みんなで食べて喋って、くだらないことで笑ったり思い出話をしたり、時間はあっという間に過ぎていった。



お開きの後、途中まで帰り道が一緒だった三波先輩と、二人で歩いていた。

先輩は面白い話をたくさんしてくれる。


「もおー先輩、冗談きつすぎ!(笑)」

「いや、これマジだから!」

「久々にこんな笑いましたよ-」

「……ずっと笑ってなかったの?」

「…え?…いや笑ってなかったわけじゃないですよ」

「なんか今日も最初、来たときは浮かない顔してた」

「…バレてました?」

「うん、茉那ちゃん分かりやすいもん」


別れ道にさしかかったとき、先輩がピタッと足を止めた。

そして茉那の腕を優しく掴み、引き寄せた。
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