常盤の娘
純花は顔をあげた。
「東条」
「ん?」
「この縁談って、」
しらけたこと言うなよ。続く言葉を、東条はすげなく切り捨てた。
「誰がどんな一物を腹ん中に抱えてようと、表面上は綺麗に取り繕うのが縁談だ。そいつは自分の親にでも聞きな」
純花は唇を噛み締めた。私にはそれができない。高校時代の一件で、東条も知っているはずなのに。それでも東条は正しい。
「東条」
「ん?」
「この縁談って、」
しらけたこと言うなよ。続く言葉を、東条はすげなく切り捨てた。
「誰がどんな一物を腹ん中に抱えてようと、表面上は綺麗に取り繕うのが縁談だ。そいつは自分の親にでも聞きな」
純花は唇を噛み締めた。私にはそれができない。高校時代の一件で、東条も知っているはずなのに。それでも東条は正しい。