42歳 主婦 旦那様に片思い中【佳作受賞】
「いえ、この間、同期何人かで来て、
美味しかったから、原田さんも気に入って
くれるんじゃないかと思って。」

喜多見さんは、照れたように目を伏せて笑った。

ふっ
かわいい…

その時、私は、不覚にも年上の喜多見さんをそんな風に思ってしまった。


気を良くした私は、美味しいお料理に舌鼓をうち、美味しいお酒をしこたま呑んで、喜多見さんに失恋の愚痴を吐き出した。

喜多見さんは、何も言わず、うん、うん…と聞いてくれた。

そして、最後に、

「原田さん、明日の土曜日は空いてますか?
ひとりでいるのは辛いでしょうから、どこかへ
出かけませんか?」

と言った。

私は、酔った勢いもあり、

「うん、行こう! 行こう!」

と答え、翌日のデートが決まった。
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