極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「それに、新しい職場には話を聞いてくれる人だっているだろうし、分からないことは解決できる環境なんでしょ?」
「だと思います」
「大丈夫だよ。なにかあれば俺だって相談に乗るし」

 にこっと微笑んでくれた環に、またしても万佑は胸の奥を疼かせる。
 優しくて丁寧で、きっと彼にとっては大したことではないだろう相談事にも、親身になってくれたのだ。

(永縞さんといると、ドキドキしたりホッとしたり、胸の奥が忙しいなぁ)

 ドキドキさせられていた鼓動は、いつの間にかふわりと包み込まれるような安心感さえ感じられる。
 だけど、それを言葉にして伝えるには至らず、万佑は小さく頭を下げた。


「話を聞いてくださって、ありがとうございました」
「大したことじゃないよ。俺は万佑ちゃんのためならなんでもするし」
「……ありがとうございます」

 不意に甘い言葉が返されて、俯けていた顔を戻すまで少し時間がかかってしまった。

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