極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

(俺といる時、万佑ちゃんはどう感じてるんだろう。楽しいと思ってくれていたらいいけど……。ただ付き合わせているだけなら、気軽にデートに誘うのも違うんだろうなぁ)

 微妙な女心を横で聞きつつ、次のデートはもっと万佑に喜んでもらえるようにしようと、強く心に誓った。


「そういうのも大切だけど、キスが適当な男はやめておきなさいね。ろくでもないんだから」
「ミミちゃんの恋愛論、久々に聞かせてよ」
「あらそう? 環くんが言うなら、お言葉に甘えて」

 ミミには濃いめのハイボールを作り、環は万佑と一緒に耳を傾ける。


「まず、キスが適当な男って、他にも女を作るタイプだと思うの。あと、セックスでキスを省く男は遊びね。キスは挨拶で、意思の確認でしょ? それを怠る男は遊び人よ」
「あぁ、ちょっと分かるかも。……えっ!? 俺は違うよ! やめてよ、ふたり揃って俺のこと見るの」

 同意した環に、なにげなくミミと呼吸を合わせて視線を流せば、彼は不意を突かれたのか目を丸くした。

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