極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
いつも持ち歩いている手帳とタブレットを持っているあたり、この後の会議の準備で声をかけようとしていたのだろう。そのタイミングで話が聞こえてしまったようだ。
だけど、彼女の顔は紅潮し、手が小刻みに震えていることに環は気付いた。
「どうした?」
「行かないでください! 私、永縞さんのことが好きなんです!」
「……え?」
唐突な告白に、環はきょとんとして、宙に浮いたような声を返す。
思いの丈を告げた舞帆は、ぽろりと涙をひとつ零しながら、彼を見つめた。
「永縞さんのこと、尊敬してます。ひとりの男性としても愛してるんです。パートナーになられてから、近くで過ごす間に、恋をしてしまいました」
「宮前さん、ありがとう。こんな俺を支えてくれていること、本当に感謝してます」
やんわりと微笑み、申し訳なさそうに眉尻を下げながら、環は丁重に彼女の想いを受け止めた。