極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
(だけど、永縞さんなら……きっと……)
『じゃあ、またね』
「あ、あのっ!」
十分な間を取っていると、先に環から終話を切り出してきた。
「……近いうちに会えますか?」
『俺はいつでも。でも、万佑ちゃんの予定があるだろうから、今月か来月のどこかで会えるようにしよう』
「はい。予定はまたあとで連絡しますね」
(早く会いたい)
記憶しているだけのスケジュールだけでも、あまり余裕はない。本当は明日にでも会いたいのに……。
『俺の都合は気にしないで、いつでも連絡して。万佑ちゃんが俺を必要としてくれるなら駆けつけるよ』
「……ありがとうございます」
(またそういう甘いことを……)
万佑はひとりで頬を火照らせ、どうにか心境の変化に気づかれないよう、いつもと同じように返事をしてから電話を切った。