極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「好き嫌いは少ないって言ってましたけど、チョコレートとかケーキとかも好きなんですか?」

 彼がオーダーを済ませたところで、なにげなく聞いてみる。


「好きだよ。甘すぎるものは苦手だけど。あ、そうだ。万佑ちゃんのところは、バレンタインってやるの?」
「強制的な感じはありません。個人的に渡したい人だけって感じでやってます。永縞さんは?」
「ん? まぁ、それなりにね」

(きっと、たくさんもらったんだ)

 歯切れの悪い返事に、大量のチョコレートや贈り物が入った段ボールを抱える環を想像して、つい妬いてしまう。


「私は異動があるので、お礼のチョコレートしか渡しませんでした」
「そうだったんだ」

 彼に恋をしていて、渡した人はどれほどいるんだろう。
 嫉妬が言葉になって、かわいくなかったかもしれないと口を噤んだ。

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