極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
出会ってからの時間は3ヶ月分あっても、会った回数は数えられる程度。
だけど、会うたびに惹かれ、秘密めいた心模様を知りたいと思った。必要以上に環のプライベートにも踏み込んでこないところは、もっと知ってほしいと前のめりにさせられた。
失恋に傷ついた万佑を癒すのは、自分でありたいと思うようになるのに時間はかからなかったと思う。
存在だけで毎日が明るくなった相手は他にいない。
なにがあっても彼女を手に入れたいと、今までのどの恋よりも望んで堕ちた恋なのだ。
「ん……?」
環が少し動いたら、万佑がゆっくりと目覚めた。
ぼんやりとしている瞳に自分が映っただけで、なんだかとても嬉しくなる。
「……永縞さん?」
「おはよう」
環はそっと彼女の髪を撫で、甘やかすように微笑んで返した。
「えっ!? ごめんなさい! どうしよう!! 今何時ですか?」
「0時過ぎ。大丈夫だよ。疲れてたみたいだし、気持ちよさそうにしてたから、あえて起こさなかっただけ」