極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「謝るのはおしまい。俺といて眠れるくらい心を許してくれたんじゃないの?」
「……永縞さん」

 撫でてくる手のひらが優しい。
 見つめてくる瞳に温もりを感じる。

 甘く響く彼の声は、切なさや悲しみを抱えていた過去の恋を、まるごと拭い去ってくれるよう。

 長い指でサイドの髪を耳にかけられ、くすぐったさに肩が持ち上がった。
 頬に触れた唇が、今度は耳に触れる。


「……でも、放っておかれて寂しかったよ」

 万佑の手からグラスを抜き取り、テーブルに置いた環はそっと彼女を抱き寄せる。
 待ち望んでいた時間を手繰り寄せ、もう逃すまいと彼女と額を合わせて、視界のすべてを埋め尽くした。


「構ってよ、先生。俺にいろいろ教えてくれるって約束、忘れてないよね?」

 細められた瞳が怪しげに輝き、万佑はぞくっとした。

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