極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
ふと、鼻先が離れ、彼の気配が遠退いた。
万佑は目を開け、微笑みを浮かべた環と見つめ合う。
(焦らすなんて、意地悪)
キスを待っていたのに、お預けを喰らったみたいだ。
曖昧に保たれていた距離が名残惜しくて、つい甘えた視線を投げてしまう。
「寸止めで焦らされるの、好きそうだね」
「……っ!!」
万佑の反応に満足した環は、ソファに彼女を押し倒した。
額から頬、耳朶から首筋にキスをして、思わず彼女が漏らした声を聞き逃さなかった。
「どんな愛され方がいいの?」
「わかんな……いっ……んんっ」
不意をついて重ねられた環の唇は、火傷しそうなほど熱かった。
触れただけで、身体中が痺れさせる彼のキスは、次第に積極的なものに変わっていく。