極上恋慕～エリート専務はケダモノでした

「こんなこと言ったら、きっと驚かれると思うけど、聞いてくれる？」
「なぁに？」

　環が話すと、耳元に息がかかってくすぐったい。
　自然と肩をすくめて反応を示すと、彼は耳を食んできた。


「俺と結婚して」
「……えっ？」

　唐突なプロポーズに驚き、万佑は反転した身体を強引に戻す。
　きょとんとしていると、彼は優しく髪を撫で、背中に触れ、腰のあたりでその手を止めて、もう一度キスをした。


「結婚しませんか？」
「あのっ」
「必ず幸せにするから。……ダメかな？」

（聞き間違いなんかじゃない。本当に、永縞さんは……）

　驚きのあまり、返事もできずにいる万佑に、環は言葉を変えて何度もプロポーズを続ける。
　その表情は真剣そのもので、万佑の心を動かそうとしているのが伝わってくるほどだ。