極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「……どうして、今なの?」
プロポーズを受けるには、日が浅すぎる。
彼が告白をしてくれた夜からは時間が経っているけれど、今夜は万佑が返事をしたところ。
やっと想いを伝え合い、愛し合ったばかりだ。
それなのに、結婚を申し込まれるなんて想像するはずもなく、答えの代わりに疑問を返した。
「結婚するのは万佑ちゃんがいいって、ずっと考えてた。ごめん、驚かせたよね?」
小さく頷くだけの彼女をそっと抱き寄せる。
彼女の告白を受け、こうして恋人同士になったものの、環には隠していることがある。
来期になれば、ふたりは同じ職場で働くことになるのだ。それを打ち明けても、きっと彼女は口外しないでいてくれるだろう。
先に恋愛関係を結んだら、彼女はどう思うか不安ではあった。
だけど、なんとしてでも手に入れたかった。