極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
出会った頃こそ、どれだけ〝難あり〟の男と思われていたか想像に難くないが、一緒に過ごしたり、日々話しているうちに、万佑のいない日々は考えられなくなっていたのだ。
プロポーズは思い付きではない。
だけど、いずれ隠し事は明るみになる。
ブルーメゾンで勤務するようになれば、また新たな人間関係が広がっていくし、近寄ってくる女性もいるかもしれない。
もしかしたら、今夜やっと結ばれたこの関係をよく思わない人だって出てくることもありえる。
その時、彼女を守るには……。
どんな時でも、彼女が隣にいたいと思ってくれる男になるには……。
「永縞さんに、これからもそう思ってもらえるようにしますね」
黙って抱きしめてくれる彼を信じたい。
だけど、まだ結婚に応じるだけの気持ちがあるか分からず、万佑は言葉を選んで返した。
「わかった。また、いつかちゃんとプロポーズするから、その時は気持ちを聞かせて」
「はい」
ふたりは約束をキスで交わした。