極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
忘れられない夜の、答えあわせ

 仕事が終わり、社屋を出て、自宅がある三軒茶屋駅で電車を降りる。
 金曜だけど、今夜は一杯だけにしようと決めて、ミミの店に着いたのは19時前だった。
 今夜も賑わっている店内の様子をドア越しに窺ってから、万佑は入った。


「あら、万佑ちゃん。いらっしゃーい」
「明けましておめでとう、ミミちゃん」
「おめでとう。この前はごめんね、最後まで一緒じゃなくて」
「あ、気にしないでいいよ」

 いつも通り生ビールの中ジョッキを出され、ドアから1番近いカウンターの端に座った。
 あの夜、環が座ったこの席から、気に入っているカウンターの反対端を眺めれば、先客のサラリーマンが2人で話しこんでいる。


「そういえば、永縞さんってあれから来たの?」
「来てないわよ」
「ふぅーん。あの人ってなにしてる人なの?」
「気になるなら本人に聞いたらいいじゃない。多忙なイケメンってことしか知らないわよ」
「別に、気になってるわけじゃないよ」

 万佑の好物の厚揚げとおでん5種盛りを出し、ミミは彼女の表情を眺めた。

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