極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
(よりによってイブに浮気って、どういうこと? ……まさか、あっちが本命で、私が浮気相手!? 3年も付き合ってきたのに!?)
大混乱する頭で、辻褄が合うように整理すればするほど、惨めになる答えが導き出される。
浮気相手とクリスマスを過ごすなんて、聞いたこともない。本命彼女と過ごしてなんぼの夜に、万佑はポイッと捨てられたのだ。
(……帰ろう。ミミちゃんのところに行こう)
――そんなことがあり、万佑はミミの店にやってきているのだった。
「デート帰りだから、そんな着飾ってきたんだと思ってたけど、違ったのねぇ……」
「同僚に予定がないって思われたくなかったの。私のプライドが許さなかっただけ」
ミミは電子煙草を吸いながら、ふぅーんと相槌を打つ。そして、竜田揚げを頬張り、ぐびぐびとビールを飲む万佑を見つめた。
彼女はいわゆるオネエだ。
女性の気持ちに寄り添えるし、男性の心も分かるからこそ、万佑も今夜はこの店以外思い浮かばなかった。