極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「あ、あのっ!」
(声、震えちゃった……)
イブの夜は、さほど緊張しないでいられたはずなのに、今夜は自分でも分かるほど明らかに挙動不審だ。
彼の隙を探して見つめ、目が合うとパッと視線をそらしてしまう。
だけど、そんな調子でずっと過ごすわけにもいかず、思い切って声をかけてみた。
「な、永縞さんは、どんなお仕事をされているんですか?」
「あぁ、そっか。この前はそういう話は一切しなかったもんね」
にこっと微笑まれて、鼓動が大きく鳴る。ドクン、と音を立てて収まったのち、すぐにそれは熱となって頬を染めた。
「俺は、FNコンサルティングに勤めてます」
「大手のコンサルタントさんは大変そうですね。学生時代の同期に有名コンサル企業に勤めている人がいるんですけど、プロジェクトにアサインされて多忙だと聞いたことがあります」