極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「はぁ……難しいな、恋愛って。仕事みたいにこなせたらいいんだけど」
「お仕事も難易度が高いと思いますよ?」
「もちろん、本当に比べてるわけじゃないよ。だけど、俺なりにどんなに大切にしても、必ず振られるからさ、ついそんなふうに思っちゃって。さすがに本当に人として問題があるのかって、真剣に悩んだりするよ」
「あの、さっき仰ってたのって、どういうことなんですか? 相手の方が引いちゃうって」
「……一緒に過ごすイメージができないって言われたんだよ」

 万佑は彼をまじまじと見つめてから、ミミが出してくれた料理に再び箸をつける。
 縁談の相手は、あらかじめ写真を見たりしなかったのだろうか。それなら、会う前から断ることもできるのに。
 彼の想い人は、どんな印象を抱いていたんだろう。

(告白するまでに、多少なりとも仲を深める時間はあるはずなのに……)

 それでも振られてしまうとしたら、余程受け入れがたいなにかがあるのかもしれないと、万佑は牛もつ煮込みを口に運んだ。

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