極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

(それで、永縞さんの容姿となると、相手の気が引けちゃったのかもしれないなぁ)

 だけど、それが理由で破談になるのなら、他にもいい話があって返事を待たせ、じっくり選んだということもあり得るのではないかと万佑は思った。
 つまり、7回目の縁談や、次の恋はうまくいく可能性もあるはずで……。


「今聞いた話でしか分からないですけど、永縞さんが悪いわけじゃないと思いますよ? ご縁がなかっただけかもしれませんし」
「そう? じゃあ、元カノ5人のことはどう思う?」
「なにか思い当たる節はないんですか?」
「うーん……。俺なりに優しく、彼女を大切に愛してただけなんだけどね」

 ふたり揃って、うーんと唸る。
 考えたところで解決できる兆しはないのだが、話を聞いた限りでは彼に欠点はない。
 もし、彼の仕事が多忙ですれ違ってしまうことがあっても、それはお互い様だろう。今どき、「仕事と私、どっちが大事なの?」なんて詰め寄る女性はあまりいないはず。

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