極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「そうだ!」
万佑があれこれ考えていると、環が名案を思い付いた様子で彼女を見た。
「万佑ちゃんさえよければ、俺に女心をレクチャーしてくれない?」
「れ、レクチャー? 私が?」
「そう。女心が今よりも分かるようになれば、次こそはうまく関係を築けるかもしれないと思ったんだ」
「でも、私は別に恋愛カウンセラーでもないし、言えることは私の個人的意見だったりしますけど」
それでもいいと言って、環は引かない。
万佑は当然受け入れがたく、難色を示す。
「あらぁ、どうしたの? 神妙な顔をして」
数分ぶりに戻ってきたミミは、ビールを手酌して喉を潤す。
「いろいろ話して、万佑ちゃんに俺の恋の先生になってもらおうと思って、オファーしたんだよ」
「なにそれ? ちょっと楽しそうね」
面白そうな話に食いついたミミは、他の客の注文を取って背を向け、焼鳥を網で焼き始めた。