極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「私、永縞さんのこと、よく知らないんですよ? それなのにアドバイスなんてできっこないです」
「やってみないとわからないよ。恋だって一緒だよ」
「そうですけど、でも……」
失恋後ということもあって、万佑は渋い顔のまま。
環はスーツを脱いでベスト姿になり、Yシャツの袖を捲る。
(永縞さんほどの人なら、私じゃなくたっていいと思うんだけどなぁ。数をこなしていけば、いい相手に出会えるかもしれないし、その方が手っ取り早そうな気もするし)
「決まった?」
「えっ、あの……」
コンサル業に身を置いているだけあって、なにごともスピーディーな環は、答えを急かす。
普段じっくりと考えて案を練っている万佑は、まだ決めきれずにいて答えに困ってしまった。
「そんな難しく考えないで、俺と恋愛話してくれたらいいよ。……どう? 食事奢るし、帰りの足代が必要な時はもちろん出すし、お礼だってそれなりに」
「お金を気にしてるわけじゃないです」
「じゃあ、なに?」
優しく問いかける環は、万佑の言葉を待つ。