極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

(相手が素敵すぎるのも、心臓によくないなぁ)

「じゃあ、それを頼もう。シャンパンと合うから。……ミミちゃん、チーズフォンデュと生ハムをお願い。あ、それと和牛ステーキと、オリジナルサラダもね」
「はぁーい」

 上機嫌のミミが背を向けてキッチンに立つ。
 環は勝手にカウンターに入り、シャンパングラスを2脚出した。


「もし酔っても、タクシーで家まで送るから。好きなだけ食べて飲んで、俺の相談に乗って?」

 グラスの中で立ち上る細かい気泡が、黄金色のシャンパンを泳ぐように揺らいで消えていく。
 特別な日でもないのに、こんなに贅沢していいのかと気持ちが追い付かなくなった。


「私、別に贅沢をしたいわけじゃないですよ?」
「でも、俺がそうしたいから、今日くらいは付き合ってくれる?」
「わかりました」
「大丈夫だよ、そんなに言うほど高くないよ。ここの価格帯、分かってるでしょ?」

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