極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「あの、永縞さん。好きな子とデートする時は、いつも高級なお店ですか?」
「うーん……2回に1回くらいは」
「それと、さらっと甘いことを言ってる自覚はありますか?」
「ん? そう?」
(悪気はないんだろうけど……永縞さんって、無自覚に振り回される側を選んでるのかも)
イヴの夜の距離感も、時折見せる笑顔も、なんてことなく口にする甘い言葉も……。
「早速ですけど、いいですか?」
「はい、先生」
環はシャンパングラスをカウンターに置いて、万佑に身体を向ける。
「私だったら、っていう前提ですけどいいですよね?」
「うん、もちろん」
「高級なお店は、年に数回で十分です。お相手がどこかのご令嬢なら分からないでもないけど、普通の社会人なら、特別な日だけいいんです」
「どうして? 俺は、相手に心から満足してほしいだけだよ。その時できる限りの贅を尽くすのは、俺なりのもてなしなんだけど、それがダメなのかな」