極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

 真剣に悩んでいるのか、環は顎に手をやって考えている。


「お相手が永縞さんを好きでいてくれるとしたら、そんなに贅沢しなくたって喜んでくれると思うんです。ふたりでいられる時間が目的だし、場所は屋台のラーメンに行くのだって楽しんでくれると思いますよ?」
「そうなの!? 女の子は、デートで贅沢させてくれない男は、魅力も将来性もないって値踏みするって、ずっと前に聞かされたからさ……」

 いったい今までどんな相手と恋をしてきたのか、環から驚きの恋愛観を聞かされた万佑はぽかんとしてしまった。

(だから、さっきも私がお金を気にしていると思われたのか……。それにしても、容姿のいい永縞さんと豪華な食事をして、きっと誕生日なんかはいつも以上に贅沢で……。もしかして、いいように利用されてたりしないかな?)

 さほど恋愛経験のない万佑でも、心配になってくる。

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