極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
「あ、あの、今のは私の考えなので、絶対にそうとは限りませんよ?」
「いや、そんな気がしてきた。そうとしか思えない」
過去を思い出し、時折ため息をついては手のひらの内側で悩む。
(そうか……。俺、見る目がないんだな。気持ちが先行して、相手がどんな子かなんて疑ったりしなかったもんな……)
環は交際した彼女たちや、数回デートしたものの玉砕した相手の顔を思い出し、またひとつ重いため息をついた。
「で、でも、実際にお付き合いされた方の中には、ちゃんと永縞さんのことが好きでいてくれた方もいるはずです!」
「そうかな……」
「います! 絶対に!」
こんなに落ち込むとは思わず、言いすぎてしまったかもしれないと、万佑は申し訳なくなった。彼の過去の恋のことなど、自分に分かるはずもないのに、憶測で物を言うものではないなと改めて反省する。
「永縞さん、私、ちょっと言い過ぎましたよね。ごめんなさい、今日はとことん付き合いますから! イヴの夜のお返しです」
環のグラスにシャンパンを注ぎ足し、自分のグラスにも注ぐ。
強引に乾杯させて、先に口を付けてみせると、環も覆っていた顔を見せ、一緒に飲み始めた。