極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
――「ねぇ、イヴの夜って、ふたりでずっといたの?」
それから二十分ほど。
三人で飲んでいたシャンパンはあっという間になくなり、ミミが思い出したように問いかけた。
「ずっとじゃないよ。雪が降ってきた頃に帰った」
「それだけ?」
「ミミちゃん、なにかおつまみある?」
「もうたくさん食べたでしょ? そのくらいにしておきなさい。太るわよ?」
ほろ酔いになった環がその先を話してしまいそうなので、慌てて話を変えてみたものの、ミミの興味をそぐことはできなかった。
「万佑ちゃんにキスをしようと思ったけど、しなかった。それだけだよ」
(あの時、やっぱりそのつもりだったの!?)
肩透かしを喰らって、自分が飲み過ぎだからと帰宅を促されたはずだったのに。
いつの間にかネクタイも緩め、リラックスしている環がこちらを見る。