極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

「万佑ちゃん、今度食事に行かない? 俺の先生、ちゃんとしてよ」
『ふふっ。分かりました。永縞さんは忙しいと思うので、都合を教えてください』
「うん。じゃあ、決まったらメッセージでいくつか予定を送る」

(いつにしようかな……。明日なんて言ったら、せっかちだと思われるか?)

 環はデスクに広げた手帳を眺める。

「ちなみに明日の夜は?」
『明日はたぶん遅くなります。夕方から取引先と打ち合わせなので、長引く可能性もあるかと』
「そっか……。週末でもいい?」
『いいですよ、都合が合うようなら』

 日曜は長く付き合いのある客先を通じて知り合った、新しい取引先との会食がある。これだけは絶対に外せないし、気を引き締めて臨まなくてはならない。

(あー、早く会いたいんだけどな……)

「今週は無理かもしれないから、また連絡する」
『はい、分かりました』
「じゃあ……またね。おやすみ」

 とりあえず、食事に誘う約束を取り付けて終話した環は、近々ゆっくりと過ごせる時間が取れるようにスケジュールを調整しようと決めた。

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