極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
(……永縞さん、この前のこと覚えてるのかな)
一方、万佑は話し終えたスマートフォンを片手に、4日前の夜を思い出していた。
彼の人となりを勘違いしていたと知ったのも束の間、ミミが目を離した隙にキスを求められたのだ。
それに、口説き方がどうとかも言っていたのも忘れたわけではない。
だけど、もし彼じゃなかったら、連絡先を教えたりしなかった。
彼にはなぜか興味がある。
ハイスペックな彼が16連敗もしている上に、自分を構ってくるのが不思議でならないのだ。
(4日のうちに2回も電話をくれるなんて……永縞さんってマメなタイプ?)
ことごとく振られてきたと言っていたけれど、あの容姿で仕事も順調、しかもマメな男性とくれば女性に困ることはないはず。
なんだかんだで彼も理想が高いところがあるのかもしれないと思いつつ、作り置きをしていたカレーを温め直した。
(この前のキスも、口説くとかなんとか言ってたのも、きっと酔った勢いよ)
万佑はダイニングチェアに座り、テレビを付けた。