極上恋慕~エリート専務はケダモノでした
ニュース番組が流れ、ぼーっと眺める。ほとんどの話題は、帰りの電車の中でスマートフォンでチェックした内容と同じだった。
腰を上げ、キッチンに入ってカレーをかき混ぜる。
(永縞さん、私に恋愛相談する時間があるなら、もっとかわいくて素敵な人と食事に行った方が、実のある時間になるんじゃないかなぁ)
レクチャー役を受けはしたものの、結局未だにその気にはなれずにいる。
この前、色々話してきたけれど、少し思ったことを言っただけで、本当に彼のために役に立てるとは思えないのだ。
数分して、皿に盛りつけたカレーを手に戻ると、テーブルに置いていたスマートフォンの通知音が鳴った。
【さっきはありがとう。これから帰るよ。予定見てみたんだけど、来週末は空いてる?】
表示されたメッセージは環からだ。
てっきり明日以降に連絡をもらうのだとばかり思っていたので、不意を突かれ、画面を見つめる。