極上恋慕~エリート専務はケダモノでした

(永縞さんは、マメでちょっとせっかちな人なのかな? もう予定を確認してくるなんて)

 来週末の予定は特になかったと思い返しつつ、ひとまずカレーを食べようとしたら、また通知音が鳴った。


【早く万佑ちゃんに会いたい】

(……きっと深い意味はないよね? ただレクチャーしてほしいって言ってただけだし)

 まだ2回しか会っていないけれど、一緒にいると環の色気や言動に心が振り回されている自覚はある。
 だから、彼の言葉を文字に起こされたら、ドキッとしてしまうのだ。

(永縞さんは、私で恋愛を試しているだけ。次に好きな人が見つかるまでの代役みたいなもの)

 レクチャーと言われて受け入れたが、蓋を開けてみれば友達のような関係なのかもしれないと思った。
 まだお互いを知らないからこそのレクチャー役であって、関係は飲み友達と大差ない。

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