愛してほしい
「ことちゃん。落ち着いて聞いてね。
はるとが…」
「――――え…?」
謝ることすら許されない
事故で頭を強く打ったせいで、一時的だと思うが記憶が無くなっていると楓さんに言われた
私のことどころか、自分の名前に生い立ちも全て忘れてしまった
「数日で戻ることもあるし、もしかしたらずっと戻らない可能性もある。」
”さっきのこと忘れて”
「わ、私が断ったから…」
「ことちゃん!?」
「私が素直になれば!私のせいだッ!私のッ!私のせいッ」
はると…
ごめん、晴斗
あんなこと言いたかったわけじゃない
晴斗の手を握っても握り返してくれる優しい晴斗はどこにもいない
これは私に対する罰なんだ
「hは、はぁ…る、と…?」
少しの希望と期待を胸に掠れた声で名前を呼んだ
もしかしたら…
そう思いながら
「”誰”」
パリンッ
期待はあっさりと砕かれた
嗚呼、覚悟はしていた
それでも、好きな人が自分を認識できないのがここまで辛いとは思ってなかった
涙が出そう
「三浦…です」
「三浦?」
「…はい」
「ごめん、わからない」
「そ、そうですか…」
晴斗の記憶から私が消えた
私を見る晴斗の優しい目が今は冷たく、どう映っているのかすらわからない
痛い、痛い、胸が痛い
張り裂けそうなくらい痛い
部屋に置かれた婚姻届
晴斗のきれいな字
この意味のなさないこの紙はしっかり判子も押してある。
どんな顔をして書いたのかな…
どんな気持ちで書いたのかな…
証人の欄には楓さんと私の親友、咲良の名前があった
2人は私たちのために書いてくれたんだ
咲良が教えてくれた
晴斗は会社の上司の娘さんとのお見合いを勧められていたことを
「俺さ、琴子としか居たくないし琴子の傍にずっと居たい。だからさ、例え、意味がなくても俺には意味のあるものだからこれの証人になってほしい」
「馬鹿だろ?こんなに一緒にいるのに酒の力借りないと言う勇気ねぇの…」
”私たちに頭下げてまで言ってきたのよ?本当に馬鹿だけど大宮くんはことのこと相当大好きだよ”
”ことちゃんあいつのこと信じてやってよ”
「あ、ありがとう…
私…、傍にいる。記憶が、なくても…傍にずっといる…」
「私たちはいつでもことの支えになるから、大宮くんが思い出すまで頑張ろうよ。自分を責め過ぎたらだめだよ」
「ぅん…」
私のせいで晴斗の記憶がなくなった
私が素直になれなかったから
私がしっかりしないとダメなんだ
はるとが…」
「――――え…?」
謝ることすら許されない
事故で頭を強く打ったせいで、一時的だと思うが記憶が無くなっていると楓さんに言われた
私のことどころか、自分の名前に生い立ちも全て忘れてしまった
「数日で戻ることもあるし、もしかしたらずっと戻らない可能性もある。」
”さっきのこと忘れて”
「わ、私が断ったから…」
「ことちゃん!?」
「私が素直になれば!私のせいだッ!私のッ!私のせいッ」
はると…
ごめん、晴斗
あんなこと言いたかったわけじゃない
晴斗の手を握っても握り返してくれる優しい晴斗はどこにもいない
これは私に対する罰なんだ
「hは、はぁ…る、と…?」
少しの希望と期待を胸に掠れた声で名前を呼んだ
もしかしたら…
そう思いながら
「”誰”」
パリンッ
期待はあっさりと砕かれた
嗚呼、覚悟はしていた
それでも、好きな人が自分を認識できないのがここまで辛いとは思ってなかった
涙が出そう
「三浦…です」
「三浦?」
「…はい」
「ごめん、わからない」
「そ、そうですか…」
晴斗の記憶から私が消えた
私を見る晴斗の優しい目が今は冷たく、どう映っているのかすらわからない
痛い、痛い、胸が痛い
張り裂けそうなくらい痛い
部屋に置かれた婚姻届
晴斗のきれいな字
この意味のなさないこの紙はしっかり判子も押してある。
どんな顔をして書いたのかな…
どんな気持ちで書いたのかな…
証人の欄には楓さんと私の親友、咲良の名前があった
2人は私たちのために書いてくれたんだ
咲良が教えてくれた
晴斗は会社の上司の娘さんとのお見合いを勧められていたことを
「俺さ、琴子としか居たくないし琴子の傍にずっと居たい。だからさ、例え、意味がなくても俺には意味のあるものだからこれの証人になってほしい」
「馬鹿だろ?こんなに一緒にいるのに酒の力借りないと言う勇気ねぇの…」
”私たちに頭下げてまで言ってきたのよ?本当に馬鹿だけど大宮くんはことのこと相当大好きだよ”
”ことちゃんあいつのこと信じてやってよ”
「あ、ありがとう…
私…、傍にいる。記憶が、なくても…傍にずっといる…」
「私たちはいつでもことの支えになるから、大宮くんが思い出すまで頑張ろうよ。自分を責め過ぎたらだめだよ」
「ぅん…」
私のせいで晴斗の記憶がなくなった
私が素直になれなかったから
私がしっかりしないとダメなんだ