愛してほしい
怪我がだいぶ良くなってきて、散歩でも行こうかと外に出ようとした時のことだった

”はるとッ!”

”まだ休まないとだめだ”

”迷子になったら”

”何かあったらどうするの”

と、頑なに外出をさせてくれない


今まで干渉がないと思っていたのに

最初こそは外出を控えはしたが、毎回だといい加減腹が立つ

「なんで俺の行動をそこまで監視するわけ?」

「そんなつもりは…」

「目が覚めたら病院!
帰ってきたら監視され!
こんな嫌いな女二人の部屋で!息が詰まるんだよ‼」

「そ、そっか。そうですよね…
ごめんなさい」


それからはよく近所を散歩するようになった

外にいると部屋にいるよりずっと気が楽だった

その日から、三浦は部屋によく籠るようになった


俺が帰ってくると慌てて出てきては俺の姿を確認するなり変な顔をする


三浦が部屋でどんな顔をして待っているのかとか考えたこともなかった

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