同期以上、彼氏未満
翌週から、仕事中でも気になったら声をかけるようになった。


私が新人くんと話してる時に、昴が横入りしてきたり。


昴が新人さんと歩いてる時に、私がちょっかい出したり。


そうやって、さりげないような露骨なようなアピールを重ねて、だんだん周囲にもふたりの存在が知れわたった頃。


昴が、週末出かけようと言い出した。


ふたりで家を出て昴についていくと、なぜか東京駅に着いた。


切符を渡され、新幹線に乗り、長岡駅で降りた。


レンタカーで、新入社員の頃によく来た海までやってきた。


「昴、どうしてこんな遠くまで来たの?」


昴は黙って、カバンから小さな箱を出した。


「メグ、俺と結婚してください」


想像もしてなかったプロポーズに、固まる私。


「・・・あれ、あかんの?」


昴の心配そうな声で気づき、


「よろしくお願いします」


と言ってから、昴にキスをした。


「ほんまに?」


「うん、ほんま」


「なんやそれ、メグの『ほんま』めっちゃかわいいやん」


照れながら、私の左手薬指に指輪をはめてくれた。


いろいろあったよね、私たち。


出会った頃は、結婚するなんて思ってもいなかったけど。


これからは、ずっと一緒。


「なあ、もっかい『ほんま』って言うてや」


「えー、そう言われるとなんかな・・・」


「頼むで」


「・・・ほんまに、昴が好き」


「なんやそれ、たまらんわー。


でも、発音がちと違うんやわ、俺のあとに続いて言うてみ」


しばらく、関西弁講座は続きそう。



。.:*:・'°☆fin。.:*:・'°☆


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