同期以上、彼氏未満
昴のアパートは、私の家から自転車で10分くらいの距離にあった。


「メグも詩織もありがとな、助かったわ」


「そんなこと気にする仲じゃないじゃん」


「遠距離になって、彼女泣かせたんじゃない?」


「まあ、仕方ないわ、距離でどうこうなるわけじゃないしな」


「はいはい、ごちそうさま」


「だいたい終わったな。


なんか食いに行こか、おごったるわ」


「ほんと、やったー!」


「恵、この辺にいいお店ある?」


「あるある、任せて!」


3人でいると気をつかわなくていいし、言いたいことはすぐに話せるし、すごく楽だ。


しばらく会わなくても、すぐに元通りになる。


居酒屋で飲みながら、お互い年齢を重ねても、ずっとこのままでいられると思ってた。


昴と私は、同じ相手とつきあっていたけれど、詩織は彼氏の浮気に悩んで別れたばかりだった。


「昴、男ってどうして浮気するの?」


「俺は浮気せえへんけど」


「女子はさ、たとえばシャンプーとか洗剤とか、けっこうコロコロ変えたりするじゃん?


それで、浮気心がおさまってんのかも。


だけど男子は、めんどうなのか変えないから、浮気すんじゃない?」


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