同期以上、彼氏未満
「メグ、それは一理あるかもやけど、俺は違うで」


「そうかなー、当たってると思うけどな」


「ふたりともいいって、もう立ち直りかけてるから」


「だいじょうぶだって、詩織はかわいいから、またすぐ出会えるって」


「そやそや、安心しいや」


詩織の愚痴大会になったけど、それでよかった。


さんざん愚痴ってスッキリしたのか、


「私、明日早いから、一足先に帰るね」


詩織は宣言して、横浜まで帰っていった。


「明日早いって、なんかあるのかな」


「詩織は、自分の弱味さらけだしすぎて、気まずくなったんかもな」


「ねえ昴、さっきの話ってほんと?」


「さっきの話・・・あー、浮気しないってことか?」


「うん」


「世の中の男はどうかわからへんけど、俺は浮気せえへんで」


「ふーん」


「なんや、聞いといてそれだけかい」


私はその頃、裕和とうまくいっていなかった。


もちろん、遠距離になるにあたってモメた、っていうのもある。


でも、東京本社勤務が決まる前から、マンネリに悩んでいた。


映画も外食もなくなり、同じ部屋にいても裕和はスマホゲームに夢中で、私のことを見なくなった。


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