同期以上、彼氏未満
「わかったわかった、かっこいいかっこいい。


ほら、異動早々ギリギリなんてあり得ないから、急ぐよ!」


「そやな」


異動初日、こうして昴と一緒に出社した。


開発部全員の前で自己紹介して、


「浦野昴さんは、大阪支店で開発に携わってたエースだ。


杉浦恵さんは、長年大阪工場で現場の改善をしてくれてた。


同期の二人を、あたたかく指導してやってくれよ」


部長が挨拶してくれた。


「よろしくお願いいたします」


たまたまだけど、ハモりながら頭を下げた。


初日の午前中は、総務課に書類を提出したり、同じチームの人たちに挨拶したり、パソコンの設定をしたりして終わった。


昴は主にカレーを扱うチームで、私はチョコレートを扱うチームだった。


うちの会社は食品メーカーだけど、アイテム数は膨大なので、開発チームもたくさんあった。


カレーは花形部署で、ランチはもちろん、移動途中でもカレーを食べるって聞いたことがある。


チョコも同じようなもので、他社も含め食べまくるって先輩からさっき聞いたばかりだ。


「杉森、お昼行くよっ」


「はい!」


私の指導係になってくれた佐久間先輩に連れられ、ランチへ行った。


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