同期以上、彼氏未満
「そっか、普通はそうするよね・・・」


「私は、てっきり恵が、


『見て見て!この指輪、裕和にもらっちゃった!しかもプロポーズされたの!』


とか、はしゃいで報告してくれるのかな、って想像してたから」


「そんな気持ち悪い声色、使わないし」


実際、詩織が私のマネをした声は、不自然に高かったから。


「恵がそうしなかったのは、素直に喜べないとこがあるんじゃない?」


詩織に指摘されて、改めて考えた。


裕和のことは好きだし、尊敬してる。


もし遠距離が解消されるなら、嬉しい。


でも、それは単純に、彼氏だから。


彼氏=好き=結婚、とまっすぐ結びつけられないんだ。


「詩織ありがと、マリッジブルーかな」


「ならいいけど、なんかあったら相談にのるよ」


ランチから戻ると、フロアから出てきた昴と出くわした。


「メグ、詩織と何食べてきたん?」


「パスタランチだよ」


「女子はパスタ好きやな」


「そういう昴は、例の定食屋さんでしょ」


「そうや、連休中和食に飢えてたからな」


「愛ちゃんと行けばよかったのに」


「まあな、あ、そうや、メール読んだか?」


「ううん、詩織としゃべりまくってたから」


「俺とメグ、新潟へ出張行くかもしれへんで」


< 33 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop