同期以上、彼氏未満
ようやく解放され、今度は昴と私が新潟へ出張する話になった。


「昴、恵を道連れにしてどうするつもり?」


「レポート出さなあかんから、メグに頼ろうと思ってな」


「やっぱね、なんか魂胆があるって思ってた」


「それに、一人より二人の方が楽しいやんか」


「それもそうか」


それから、新潟工場での思い出話になった。


昴が高熱を出し、私と詩織で看病したこと。


私が仕事でミスしてヘコんでた時、昴が一発芸して笑わせてくれたこと。


詩織が失恋して、3人で夜明けまで飲み明かしたこと。


「なんか、アホみたいなことばっかやってたな」


「ほんとだよね」


「あれから、もう7年近くたつんだもんね」


「お互い、老けるわけやな」


「ちょっと昴、大人になったとかさ、もっと言い方あるじゃん」


「大人になった、っうか、勢いがなくなったな」


「それわかる、無謀なことしなくなったし」


「仕方ないのかもね、あきらめることが増えた気がするし」


「メグもプロポーズされたことやし、いつ結婚してもおかしくない年齢になったってことやな」


「私も、地元の友達が結婚ラッシュで、秋は金欠だよ」


< 38 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop