同期以上、彼氏未満
次の瞬間、窓の方がパッと明るく光ったかと思うと、バリバリッと音がして、すぐ近くに雷が落ちた感じがした。


「今の、めっちゃ至近距離だった気がするんだけど」


「そやな、マンションの避雷針に落ちたんかもな」


雷鳴は、まだ続いている。


「ほんとにやむのかな・・・って、え?」


部屋の電気が一斉に消えて、真っ暗になった。


外も大雨で、夜みたいに暗かった。


「え、これって停電?


うそ、やだ、どうしたらいい?」


まわりが真っ暗で、何も見えない。


自分の家ならまだ勝手がわかるけど、昴の部屋だからどこに何があるのかさっぱりわからない。


「メグ、落ち着け。


大丈夫や、そのうち復旧するから」


昴はそう言うと、私を抱き寄せた。


ギュッと抱きしめるのとは違う、近くにいるから安心しろ、という気持ちが伝わるようなあたたかさだった。


「あ、ありがと、昴」


「おう」


どれくらい、停電してるんだろう。


昴の体温を感じる。


私の、普段よりも速い鼓動に、気づかれそうで緊張する。


「停電、長いな。


スマホ、どこにあるんやろ」


私のそばから昴が離れてしまいそうで、反射的に昴の腕をつかんだ。


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