同期以上、彼氏未満
「あっ、ごめん」


謝ると同時に、パッと電気がついた。


まぶしくて思わず目をつぶった。


目を開けたら、至近距離に昴の顔があった。


なんでこんなに近いの?と思ったとたん、昴は私にキスをした。


「え、な、なんで?」


「ごめん、つい」


「は?


ついって、なに?


昴って、キス魔だったの?」


「違うわ」


「じゃあ、なに今の?」


「なにって言われてもな・・・メグだから、やな」


「説明になってないし」


「メグ、ほんまニブいな。


俺、新潟で初めて会ってからずっと、メグが好きや」


衝撃が大きすぎて、言葉が出てこない。


「メグは俺のこと、ただの同期としか思ってなかったやろ?


まだ出会ったばっかりやし、もう少ししたら告白しようと思ってた。


2年目から離れても、平気だと思ってた。


だけど、須川さんにメグをとられてもうた。


それであきらめて、愛とつきあった。


けど、やっぱ、そばにいてほしいんは、メグなんや。


東京本社でメグと一緒に働けるってわかって、愛と別れた」


「え、だって愛ちゃんゴールデンウィークに遊びに来てたじゃん」


「ああ、あれは愛が東京見物したいって言うから、俺が旅費出しただけや。


最後のワガママきいて、って頼まれたからな。


泊まったのもホテルやから、愛はこの部屋入ったことないで」


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