同期以上、彼氏未満
「昴の標準語、久々に聞いた」


「どや、俺も東京のサラリーマンやからな、いけてるやろ?」


「標準語だけど、関西バリバリ出てたよ」


「そこがええんやないか、アホやなあ」


「中生ふたつ、お待たせしました!


こちらサービスですので、どうぞ」


「ありがとうございます!」


「昔は、もう1人女の子いましたよね?」


「今日は一緒の仕事じゃないんですけど、いま3人とも東京勤務なんです」


「そうなんですか。


で、おふたりは付き合ってるんですか?」


「そうなんですよー、お兄さんもお似合いやと思うでしょ?」


「違います、ただの同期です!」


「メグ、速攻で全否定すんなや」


「すごくお似合いですよ、新婚さんかと思いましたから。


では、ごゆっくり」


「もう昴、変なこと言わないでよ」


「変なことやない、俺の願望や。


新婚さんやて、ええな」


「よくないし!」


「じゃあ、俺とメグの将来に乾杯!」


「・・・かんぱい」


「なんや、メグ、暗いやないか!」


「暗いんじゃないよ、悩んでんの」


「俺が目の前におるやないか、なんでも話せや」


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