同期以上、彼氏未満
「メグ、持ち時間は何分や?」


「3分」


「今のボリュームだと、1分くらいしかないで。


せっかくパソコン使うんやし、もっとデータを示した方がええな。


安いチョコとどこが違うんか、売りのポイントは何か、どんなシーンで食べてもらうのを想像してるんか。


メグが考えたことを裏付けるデータがあると説得力あるやんか。


俺も協力するから、今から探そうや」


「そっか、データ探したけど、それを出そうなんて思ってなかった」


「見してみ」


バソコンの画面に表示させると、昴は隣に立ってのぞきこんだ。


息がかかるほどの近い距離に、ドキッとした。


仕事中なのに、何考えてんだ私。


「この、シャンプーとの比較、ええんちゃうかな」


「そう思う?」


「ちょっと待ってや・・・このグラフふたつコピペしたらインパクトあるで」


昴は、慣れた手つきでパソコンを操作し、あっという間に資料を作ってしまった。


「こんなんどうや?」


「昴、すごすぎ。


ちょっと見直した」


「惚れてまうやろ」


「ちょっとだけね」


「ほんまに?」


「冗談だよ、惚れてないし」


「なんや、気もたせるようなこと言うなや」


「ありがと、これで明日がんばれる。


夕飯おごるよ、何食べたい?」


「メグとふたりなら、カップラーメンでもええで」


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